ディスカッション



〈自己完結社会〉の成立(上)
上柿崇英著


〈自己完結社会〉の成立(下)
上柿崇英著

環境哲学と人間学の架橋(上柿崇英 
/尾関周二編)
環境哲学と人間学の架橋
上柿崇英/尾関周二編


研究会誌『現代人間学・
人間存在論研究』

   

用語解説

   

〈生活世界〉の構造転換 【せいかつせかいのこうぞうてんかん】


 「こうした問題意識を受けて、日本社会が今日に至るまでの150年あまりの期間を、便宜上「第一期:近代国家日本の成立から敗戦まで(1868年‐1945年)」、「第二期:戦後復興から高度経済成長期まで(1945年‐1970年)」、「第三期:高度消費社会の隆盛からバブル崩壊まで(1970年‐1995年)」、「第四期:情報化とグローバル化の進展まで(1995年‐2010年)」、「第五期:いまわれわれが立っている地点(2010年‐)」という形に区分し、それぞれの時代の特徴と、人々が直面していた時代の情景について見ていきたい。そしてそうした時代の変遷のなかで、〈生活世界〉の構造転換がいかなる形で進行したのかについて詳しく見ていくことにしよう。それは〈社会的装置〉が自立化し、人々がその〈ユーザー〉となっていくなかで、かつての重厚な〈生活世界〉と〈共同〉のための人間的基盤が空洞化していく具体的な過程のことである。」 (下巻 3-4



 〈社会的装置〉の〈生活世界〉からの自立化および、「〈ユーザー〉としての生」の確立を通じて、〈自己完結社会〉が成立していく様子を、明治期から今日までに至る150年の歴史過程に即して論じたもの。

 本書では、それを「第一期:近代国家日本の成立から敗戦まで(1868年‐1945年)」「第二期:戦後復興から高度経済成長期まで(1945年‐1970年)」「第三期:高度消費社会の隆盛からバブル崩壊まで(1970年‐1995年)」「第四期:情報化とグローバル化の進展まで(1995年‐2010年)」「第五期:いまわれわれが立っている地点(2010年‐)」に分けて論じている。