ディスカッション


未来世界を哲学する―環境と資源・エネルギーの哲学)
未来世界を哲学する
環境と資源・エネルギーの哲学


〈自己完結社会〉の成立(上)
上柿崇英著


〈自己完結社会〉の成立(下)
上柿崇英著

環境哲学と人間学の架橋(上柿崇英 
/尾関周二編)
環境哲学と人間学の架橋
上柿崇英/尾関周二編


研究会誌『現代人間学・
人間存在論研究』

   

用語解説

   

「ウィンドウズの比喩」 【うぃんどうずのひゆ】


 「ひとつは、そこではそもそも〈関係性〉自体が成立していないというものである。実際、われわれは日々数10人から数100人という人間と物理空間上は接触していながら、その大半は、あたかも互いに“並行世界の住人”――あるいはPCのデスクトップ画面上に重なる形で表示されていながら、内実は異なるタスクによって完全に分断された個々の「ウインドウ」――であるかのようにさえ見える。言うなれば、ここには〈間柄〉もなければ、「〈我‐汝〉の構造」もないのである。」 (上巻 223



 〈社会的装置〉に依存する「〈ユーザー〉としての生」が発達した社会において、〈社会的装置〉の文脈を伴わない人々の接触が存在論的には意味をなさないものとなること、物理的には接触していても、そこには〈関係性〉自体が成立していないことを、マルチタスクのOSであるWindowsを引き合いに揶揄したもの。