ディスカッション


未来世界を哲学する―環境と資源・エネルギーの哲学)
未来世界を哲学する
環境と資源・エネルギーの哲学


〈自己完結社会〉の成立(上)
上柿崇英著


〈自己完結社会〉の成立(下)
上柿崇英著

環境哲学と人間学の架橋(上柿崇英 
/尾関周二編)
環境哲学と人間学の架橋
上柿崇英/尾関周二編


研究会誌『現代人間学・
人間存在論研究』

   

用語解説

   

〈関係性〉の「脱形式化」 【かんけいせいのだつけいしきか】


 「人間の〈関係性〉には、ときに互いが背負う「〈関係性〉の場」に触れ、〈我‐汝〉として向き合うこと、換言すれば〈間柄〉の背後にある「私」の顔を互いに表出することによって、はじめて掴み取れる“真意”というものがあるからである。本書ではこうした行為のことを、〈間柄〉による「形式化」に対応させる形で、〈関係性〉の「脱形式化」と呼ぶことにしたい。」 (上巻 219



 人々が〈関係性〉を構築する際、〈間柄〉として向き合ったもの同士が、敢えて〈間柄〉の背後にある「私」の顔を覗かせることで、〈間柄〉がもたらす〈関係性〉の負担(「内的緊張」)を軽減させるメカニズムのこと。

 その前提として、〈間柄〉を介在させることで、互いの振る舞いを予測可能なものにし、〈関係性〉の負担を軽減させるメカニズムのことを、〈関係性〉の「形式化」と呼ぶ。