ディスカッション



〈自己完結社会〉の成立(上)
上柿崇英著


〈自己完結社会〉の成立(下)
上柿崇英著

環境哲学と人間学の架橋(上柿崇英 
/尾関周二編)
環境哲学と人間学の架橋
上柿崇英/尾関周二編


研究会誌『現代人間学・
人間存在論研究』

   

用語解説

   

〈間柄規定〉 【あいだがらきてい】


 「例えばわれわれは、前述したもの以外にも、親子、家族、友人、親友、夫婦、恋人、同志、同僚、上司と部下、教師と生徒、クラスメート、地域の住人など、〈間柄〉を示す語を多様に用いている。これらはいずれも特定の〈関係性〉を示す“型”であって、そこにはそれぞれの〈関係性〉に相応しい、あるいは相応しくない“振る舞い”というものが同時に理解されているのである。」 (上巻 215



 本書では、人間が「人間的〈関係性〉」を構築する際に用いている、互いの振る舞いを規定している特定の枠組みのことを〈間柄〉と定義するが、〈間柄規定〉とは、想定されている具体的な中身のこと。

 〈間柄既定〉は、日々人々の相互作用を通じて変化していくものであり、修整可能なものである。しかしそれが時代の要求や人々の望みに沿った形に修整されるにはそれ相応の時間が必要となる。むやみに変質してしまう〈間柄規定〉であったら、それはそもそも〈間柄〉として機能しないからである。